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痔ろうの治療について

治療は手術が基本。タイプによって適切な手術を1)

痔ろうの自然治癒はまれなので、基本的には手術が必要になります。痔ろうの型には現在大きく分けて4つのタイプがあり、日本では「隅越分類」がよく利用されています。この痔ろうの型ごとに、根治性と機能を考慮した手術を選択します。

痔ろうの代表的な外科的治療法とそれぞれの内容1)

現在国内で行われている、痔ろうの代表的な外科的治療法は下記の3つです。
個々の病態による主治医の判断や患者さんの意向により、術式の細かな手法・手順や術式が異なる場合もあるため、あくまで参考となります。

(1)開放術式
(2)括約筋温存術式
(3)シートン法

【1】開放術式1)

膿の通り道であるろう管を、肛門側の原発口(細菌の入るところ)から皮膚側の二次口(膿の出るところ)まですべて切り開く方法です。皮下痔ろう(ⅠL)や、低位筋間痔ろう(ⅡL)などに対して行われます。

ろう管開放術

ろう管の手前側を切り開いて、内面の不良な肉の塊を掻き出す方法。

ろう管切除術

ろう管ごとすべて切り取る方法。

【2】括約筋温存術式1),2)

肛門括約筋をできる限り温存して痔ろうを取り除く方法です。外肛門括約筋を温存するもの、内肛門括約筋を温存するもの、その両者を温存するものなどいろいろな術式があります。

<参考:手術の流れの一例>

皮膚側の二次口〜外括約筋までのろう管をくり抜く。

肛門側の原発口〜膿の元(原発巣)までのろう管をくり抜く。

肛門側の原発口〜膿の元(原発巣)の切除部分を縫合する。

【3】シートン法1),2)

ろう管にゴムや薬液をしみこませたシートン(ヒモ)を通して少しずつ縛り、時間をかけて徐々にろう管を切除していく方法です。
シートンには、ゴムやナイロン糸などを用います。体が異物を外に押し出そうとするため、シートンがだんだん浅くなっていき、最終的に外に排出される仕組みです。

【参考】
1) 肛門疾患・直腸脱診療ガイドライン2020年版
2)岩垂純一: 日本大腸肛門病学会雑誌, 66:1011-1025, 2013.

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