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    「きれ痔の治療について」

ドクターに聞く
「きれ痔の治療について」

食事や生活習慣の改善を含む保存療法が基本

裂肛(きれ痔)は、基本的には便性状が悪い(便が硬すぎる・軟らかすぎる)ことが大きな原因です。また、肛門の洗いすぎやこすりすぎにより肛門周囲の皮膚が弱くなっていることもあります。ですから、食事や薬による便性状の改善と、正しい排便、正しい肛門洗浄の指導など、保存療法が基本となります。ただし、裂肛を長年繰り返している場合、それが原因で肛門が狭くなってしまうことがあります。この場合は手術が必要になります。手術は、肛門に指を挿入して狭くなった肛門を広げる肛門用手拡張と、よりひどい肛門狭窄(きょうさく)に対して行う肛門拡張手術があります。肛門用手拡張は日帰りで簡単に行うことができますが、肛門拡張手術の場合は入院が必要になります。

札幌いしやま病院 理事長
石山元太郎 先生

軽い痛みや出血は薬で、ひどい痛みが長く続く場合はすぐに病院へ

裂肛(きれ痔)の場合は、当院では約30%の方が手術されています。裂肛については、初期に少し出血する程度の時は、市販薬が有効ですが、傷が治りきらないまま次の便が来て、また切れることもしばしば。それを繰り返していると慢性裂肛になってしまいます。こうなってしまうと、長く痛みが続きます。ひどい人はお通じの後1日中痛いこともありますから、こういう状況になれば必ず受診してください。慢性裂肛の場合、早めに受診すれば、根治手術の前の段階でも、100の力で閉まっていた肛門を70〜80の力にして、便をスムーズに出す括約筋切開術や、指を使って肛門を拡げるという日帰りで可能な手術で対処できます。ただし、これにはノウハウが必要ですので、必ず肛門科専門医を受診してください。

鮫島病院 院長
鮫島隆志 先生

慢性裂肛の痛みは排便後の鈍痛。痛みが続くようであれば手術が必要

裂肛(きれ痔)は、肛門に入って1cm程度のところが切れるものです。排便時に痛いとか、便が硬い時に痛い程度の急性裂肛のケースであれば、痔疾用軟膏や便を軟らかくする薬などを処方します。
慢性化してくると、筋肉が炎症を起こして肛門狭窄(きょうさく・肛門が狭くなる)になりますので、そういう方は手術を行います。裂肛の痛みは、切れた痛みではありません。すごく硬い便が出ると、ズーンと鈍痛に襲われることがありますが、それが裂肛の痛みです。排便後にその鈍痛が何時間も続くようである患者さんも手術になることが多いです。その他には、痔核(いぼ痔)などが出たり入ったりすることが原因で切れる「随伴裂肛」というものがありますが、この場合はいぼ痔などをとらないと裂肛も治らないので手術が必要です。

所沢肛門病院 院長
栗原浩幸 先生

裂肛(きれ痔)の手術の基本は肛門の拡張です

裂肛(きれ痔)に関しては、切れては治り、を繰り返すうちに肛門が狭くなったり、きれ痔の周りが腫れてきたりします。「裂肛」「外側の皮垂」「内側のポリープ」は3点セットで、それらがさらに症状を悪化させます。初期治療は痔核(いぼ痔)と同様ですが、一つ違うのは、おしりの筋肉の緊張をやわらげる軟膏も使用するところです。それでも軽快しない場合は手術が必要となります。手術は裂肛自体を治すというより、肛門をもとの広さにして戻してあげることで裂肛を改善させるものです。「肛門形成術」と言われますが、適切な広さ以上に拡げすぎると便漏れをおこしますので細心の注意をはらって行います。肛門が狭くなる原因も、筋肉自体が硬くなり便の通り道が狭い方、周囲の皮が硬くなって狭くなっている方などさまざまです。医師としては、それをしっかり見極め、患者さんに合う治療を見つけることが重要になります。

松田病院 院長
松田聡 先生

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